加速するライトノベルの瞬間消費
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の最新刊を読んだ
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)
- 作者: 渡航,ぽんかん8
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/06/24
- メディア: 文庫
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前にブログに書いたように、地の文のちょっとした洒落が作品自体を読みにくいものにしてるように感じた
この読みにくさについて前書いたので、この手のネタを意図して入れているのではないかと考えてみた
地の文で新鮮なネタを入れるということは、考えてみれば消費の期限が短くなりますよ。じゃあ消費を制限するような表現を意図的に入れると何が嬉しいのか?
まずはランキングに入りやすくなります。発売と同時にみんなが買ってくれればそれだけ初動は増えますよ、かなり新鮮なネタが使われているので発売直後が一番ネタを理解できて楽しいでしょう。ランキングに入れば露出を増やせますよと。ある意味ランキングハック的要素として働くのではないか。ライトノベルに於いて過去作が評価されて売り上げ伸ばすってのはほとんどありませんね、じゃあ発売直後にたくさん売れればいいですよねという考え
またパロディ的小ネタを入れることで最近のライトノベルっぽさを出しているのではないか。僕はあのネタがなくなればすごく読みやすくなると思うけど、それがライトノベルのメインターゲット層と噛み合うかというと難しくて、そこにはライトノベルっぽくない故に手に取られないという状況も考えられる。そう考えるとあの2ちゃんまとめ見る人にはわかりますよ的なネタは、読者のいい選別機会になってるんじゃないか
長く読まれるよりその時を楽しむ本が求められている。それは時間つぶしでみる退屈なテレビのようで、1時間の落語が1分のコントになったようで、瞬間的快楽を求めてきた時代なのかと思う